赤毛のアン 邦題に隠されたメッセージ

2020年6月19日

映画 /ドラマ

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以前、赤毛のアンと所属欲求の記事の中で、さんざん邦題に文句あるような事を書きました。

ですが私は、赤毛のアンというタイトルが気に入っています。覚えやすいし、リズム感もある。

原題の、グリーン・ゲイブルズのアン直訳すると「緑の切妻屋根のアン」となります。暗号みたいなタイトルですよね。

聞いた話では、他にいくつか候補があったようです。

「夢見る少女」 「窓辺の少女」 「窓辺に倚る(よる)少女」

どれもピンときません。

それでも最初は「窓辺に倚る少女」に決まったそうなのです。ところが、三笠書房の編集者、小池喜孝さんが、赤毛のアンという題名を提案。

これは、アンが欠点だと思っている赤毛こそが、アンの魅力を仕立て上げているというメッセージが込められているそうです。

これを聞いて、何か光るセンスのようなものを感じます。


欠点こそが最大の魅力
こんな話を聞いたことがあります。ある会社に、どうしても契約を結んでほしい、別会社の社長がいたそうです。

何人もの口が立つ優秀な社員が説得しても、イエスと言わない頑固な社長。そこで最終手段に出しました。

彼のもとに送り込んだのは、社内で最も話下手な男。酒の席を設け、二人が商談する機会を作りました。

次の日になって社長から、御社と契約を結ぶという連絡が入りました。

不思議に思う社員たち。そこで皆は、彼に尋ねました。いったいどうやって説得させたのかと。その男はこう答えます。

「私はこれといった話はしていませんよ。ただ相手の話を聞いていただけです」

彼は、話すことは苦手だったかもしれませんが、聞き上手だったのです。

この社長は、饒舌に話をする社員ではなく、相手の立場に立って、親身に話を聞いてくれる彼を信頼したのです。

欠点とは時に、その人の最大の魅力となります。

アンは、可愛らしい欠点を持った女の子です。そばかすだらけで痩せっぽち。かんしゃくもちで、まぬけな失敗も多い。

そこに人は、親近感を覚えるのかもしれません。アンを孤児院から引き取ることに決めたマリラも、そんなところに惹かれたのではないでしょうか。

邦題である「赤毛のアン」の赤毛とは、欠点ではありません。アンの欠点の象徴であり、彼女の魅力を表しています。

個性豊かな少女アンを、上手く表現したタイトルですね。欠点は長所にもなりえると、赤毛のアンから学ぶことが出来ます。人生の必読書ではないでしょか。

とかいう私はまだ、原作読んでません。映画とアニメで済ませています。にわかファンですいません。

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