大草原の小さな家 その魅力を科学的に解明

2020年6月29日

映画 /ドラマ

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大草原の小さな家は、今でも世界のどこかで必ず再放送されているそうです。


これほど長く愛される、このドラマの魅力とはなんでしょうか。そのヒントとなる調査が、ハーバード成人発達研究で行なわれました。


ハーバード成人発達研究による幸福とは
ハーバード成人発達研究では、75年以上にわたり、724名の男性を追跡調査した膨大な資料をもとに、幸福とは何かを導き出しました。

史上、最も長期にわたる研究です。研究責任者のロバート・ウォールディンガーさんは、1938年の研究開始から4代目になるそうです。

ちなみに、現代の若者たちに、最も大切な人生の目標は何かと訊ねたところ、80パーセント以上の人は、富を蓄えることだと答え、そのうちの50パーセントは有名になることだと答えたそうです。

その気持ちはよく分かります。私も若いときは、野望に満ちたギラギラした目をしていたものです。

今では、死んだ魚のような目をしてますけど。

ハーバード成人発達研究では、10代の若者を老年まで追いかけ、幸福と健康について調べました。

その中には、大統領になった人から、アルコール依存症になった人までさまざまです。

仕事と家庭環境を調べ、年1回の質問表を送り、インタビューを行い、さらに親戚への調査、脳や血液の検査などを徹底的に分析。

この研究から導き出された幸福とは、富でも名声でも、無我夢中に働くことでもなく、良い人間関係に尽きると断言しています。


愛情のある、良い人間関係を築き上げている人ほど幸せで、健康であると。


研究から分かる、大草原の小さな家の魅力
確かに、自分の過去を振り返ってみると、幸せを感じているときは、必ず他者が存在しています。

むろん、自分だけで完結する幸せというものも、あるにはあるでしょう。

映画、アマデウスのワンシーンを思い出します。モーツァルトに対抗心を燃やす作曲家サリエリ。

彼はピアノで作曲しながら…

ちあわせっ♪

なんて恍惚状態に入っています。

そのような場合を除き、幸せとは他者に依存するものです。多くの場合、喜びを共有しているときではないでしょうか?

インガルス一家では、喜びも悲しみも、ともに分かち合う仲間がいます。


「町一番の金持ち」にみる家族の絆
大草原の小さな家のなかに、町一番の金持ちというエピソードがあります。

この物語の中でインガルス一家は、大手取引先が倒産し、借金を背負う苦しい生活を強いられます。

子供たちはノートも鉛筆も買う余裕がありません。買い物をツケで頼むと、オルソン夫人からは、ねちねち嫌味を言われます。


それでも家族で協力し合い、なんとか借金を返そうと頑張ります。

メアリーは、学校を休んで縫い物の仕事をし、キャロラインとローラは畑仕事。キャリーもお手伝いをし、みんなでこの逆境を乗り越えます。

最後にオルソン家の主人、ネルスがチャールズにかける言葉が印象的。


家族の絆こそが真の財産だ。その点では、君は町一番の金持ちだよ。


大草原の小さな家のテーマは、家族愛、隣人愛です。愛情で繋がっている仲間に恵まれることの素晴らしさが、このドラマでは描かれています。

そこに人は、憧れを投影するのかもしれません。私たちは直感的に感覚的に、幸せとは何かを知っているのかもしれませんね。

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