アイルランド民謡『ロンドンデリーの歌』の旋律に、哀愁ある歌詞が付けられて誕生した名曲。それが『ダニーボーイ』です。
しかし、そのイメージを根底から覆す演奏をご存じでしょうか。サックス奏者シル・オースチンによる『ダニーボーイ』です。
彼の演奏では、まるで別の曲のように聞こえます。果たしてこれは、本当に同じ民謡なのでしょうか。
今回は、その謎に迫ります。
アイルランド民謡版『ダニーボーイ』
『ダニーボーイ』は、戦地に行った息子を思う母の心境が描かれています。過去、多くのアーティストに歌われてきました。こちらはケルティック・ウーマンの演奏です。透明感のある歌声で、雰囲気を感じられます。
エルヴィス・プレスリーの『ダニーボーイ』
それら数ある演奏の中で、シル・オースチンの『ダニーボーイ』が私にとっての最高傑作です。シンプルに味がある。
子供の頃、父と一緒にレコードで聴いた思い出があります。
素朴な疑問
しかし、私には一つの疑問があります。シル・オースチンの『ダニーボーイ』は、本当にあの民謡なのでしょうか。
メロディーの違いは単なるアレンジなのか、それとも別の曲なのでしょうか。
その疑問を父に尋ねた記憶もありますが、どんな回答だったか忘れました。ネットで調べても、誰も触れていないようです。
聞くだけ野暮でしょうか。しかし、私と同じ疑問を持つ人も多いはず。長年のモヤモヤに終止符を打つべきだと決意しました。
私の推測
シル・オースチンは天才サックス奏者です。天才とは霊感、すなわちインスピレーションで演奏するもの。
恐らく、ダニーボーイを魂のままに(ノリで)演奏したため、崩しすぎて別の曲に聞こえるのかもしれません。
仮にそうなら、アイルランド民謡の魂が、演奏の中で感じ取れるはずです。真意を確かめるため、歌詞を付けてみました。(暇人です!)
シル・オースチンのダニーボーイ 歌詞付き動画
いかがでしょうか?歌詞とメロディがハーモニーを奏でています。偶然の一致とは思えません。
結論
歌詞を付けて検証してみると、演奏の底流には確かにアイルランド民謡のメロディが残っています。
シル・オースチンの演奏も、やはり民謡の『ダニーボーイ』なのだと思います。
ジャズやムード音楽では、原曲のメロディをあえて崩して演奏する『フェイク』という手法があるそうです。
シル・オースチンの演奏は、その『フェイク』が極めて大胆で芸術的だったため、別曲のように聞こえたのかもしれませんね。

