大草原の小さな家 「子供たちへの贈り物」が教えてくれる成功とは

2020年5月31日

映画 /ドラマ

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主人公ローラのお父さんは、実に才能豊かですよね。


これほどの逸材がなぜ、世間的に成功をおさめないのかと、不思議に思う人は私だけではないはず。

まあ、ドラマですからと思っていましたが、その答えともいうべきエピソードが「子供たちへの贈り物」の中に描かれていました。


あらすじ
友人ジャックの突然の死をきっかけに、チャールズは自分の人生に疑問を持ち始めます。


生前にジャックが語っていた、何かを成して自分が生きた証を後世に残したいという思いが芽生えたのです。

チャールズは農業のかたわら、趣味と副業をかねてテーブルを作っていました。ミネアポリスで家具店を経営するスベンは、彼の才能を見込み、本業でやらないかと誘います。

当初は断っていたものの、テーブルが高値で売れた事を知ると、家具職人として自分の可能性に挑戦したいと思うようになります。スベンもまた、後世に名を残せると保証します。

反対する妻を説得し、ひとまず期間を決めて、独りスベンのもとでテーブル作りの仕事を始めます。

彼がデザインしたテーブルは、シンプルながら美しく、高価ながらもすぐに予約が殺到。昼夜問わず働き詰めの毎日を送ります。

しかしある時を境に、注文が途絶えます。そればかりか予約のキャンセルまで。その理由は、大手家具店のデザイン盗作でした。機械での大量生産に加え、値段は半額以下。

裁判をするにしても長期化し、費用もかさむことも考え、為す術がないチャールズ。家具職人の夢も諦めます。


チャールズにとっての成功とは
世間的な成功をおさめるには、必ずしも才能さえあればいいという問題ではありません。時代や人とのめぐり逢い、タイミングや運など、さまざまな要因が必要です。

成功していない私が言うのだから、間違いありません。問題は、何をもって成功とするかです。

今回の経験を通してチャールズは、本当に大切なものは何かを考えます。彼は言います。

「僕がこの仕事を始めたのは、印を残す為だ。家具に名を入れれば、人の記憶に残ると。だが自分の子供達にさえ、忘れられるとこだった」

未来の事ばかりに捉われて、今を犠牲にする生活に無意味さを感じたのです。

多くの人が成功を求める理由は、つきつめれば幸せを求めているからです。富や名声が幸せを与えてくれるなら、それでよし。なんら間違いではありません。価値観は人それぞれです。

しかしチャールズにとっては、家族こそが生き甲斐なのです。それ以外の事には、あまり関心がありませんでした。

家族に囲まれながら、愛に満ちた日々を送ることが、彼にとっての幸せなのです。

求めていた成功が、幸せをもたらすとは限りません。後から振り返った時に、幸せだったと思える人生を歩んだ人が、成功者と呼べるのかもしれませんね。


子供たちへの贈り物 最後
百年後の現在。オークションでチャールズの作ったテーブルが出品され、落札されました。

スベンが予言したように、彼のデザインしたテーブルは普遍的な魅力があったようです。


テーブルに焼印された、Gみたいな文字は、チャールズ・インガルスのCIです。この記事を書くまで気付きませんでした。鈍いですか?

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