『大草原の小さな家』「悪夢のオルゴール」から勇気と友情を学ぶ

2020年5月21日

『大草原の小さな家』に「悪夢のオルゴール」という物語があります。この話の中に、発話障害を持つ少女が登場します。


吃音(きつおん)とも呼ばれ、言葉が詰まってうまく話せない障害です。

私の知り合いにも何人かいましたが、それを笑う人達も少なからず目にします。そのような時に、私たちに何が出来るのでしょうか。

今回は、ローラとアンナの物語、そして現代のドッキリ番組『WWYD』を通して、「傍観者にならない勇気」について考えてみたいと思います。


悪夢のオルゴール あらすじ

主人公ローラの誕生日のこと。プレゼントは女の子らしく、お人形さんや、綺麗なドレスなどを期待していました。しかし父からもらったのは、辞書!


分かりやすく落胆するローラ。その様子を見て落ち込む父、チャールズ・インガルス。慰める良き妻、キャロライン。

そんなローラには、アンナという親友がいました。彼女は発話障害で話すことが苦手です。

ある時、意地悪ネリーの家で催される、友達クラブの初会合が行われました。アンナにせがまれ、しぶしぶローラも参加します。

記念すべき第1回目の議題は、誰を副会長にするのか?(なぜか会長は、最初からネリー)

ローラはアンナを推薦しますが、彼女の発話障害を理由に、会員にもなれないとネリーは答えます。心無い言葉にアンナは傷つきます。

しかし、ローラはその場で強く言い返すことができませんでした。


過ちと秘密の約束

自分への嫌悪感や、ネリーへの複雑な思いを抱えたまま、ローラはある過ちを犯してしまいます。

ネリーは、父からもらった辞書よりも100倍欲しかったオルゴールを持っていましたが、粗末に扱っています。

それを見たローラは、出来心でついオルゴールを取ってしまいます。


後で返すつもりだったオルゴール。しかし落とした拍子で壊れてしまいます。納屋で修理をしているときに、ネリーがタイミングよく訪れて、盗みが発覚します。

オルゴールのことを誰にも言わない代わりに、ネリーの命令を何でも聞くという約束をする二人。アンナを仲間外れにするクラブの入会も断れません。

アンナとの約束を破ってまで、クラブの会員たちと遊ぶことを選ぶローラ。それが原因で、姉メアリーと喧嘩になります。

喧嘩の理由を知った父は、クラブから抜けるようにローラに命じます。


残酷な罠とローラの葛藤

ローラは会を脱退したいとネリーに懇願すると、なぜかネリーはアンナの入会を認めます。ローラは喜びますが、それは恐ろしい罠でした。

さっそくアンナを迎えるための入会式が行われました。そこでネリーは、入会するためには合言葉を声を出して読む必要があると言い、紙をアンナに渡します。


そこに書かれていたのは早口言葉でした。

会員になりたいがために、一生懸命、読もうとするアンナ。しかし言葉に詰まり読めません。それを見て笑うクラブの会員たち。

ますます吃りは酷くなり、最後は一言も話せなくなります。彼女は泣きながら部屋を飛び出します。

その時、ローラはどうしたのか。


現代への問いかけ ― あなたならどうする?(WWYD?)

ここで少し視点を変えて、現代のテレビ番組のお話をしましょう。




海外のドッキリ番組『WWYD?(What Would You Do?/あなたならどうする?)』をご存知でしょうか?

この番組では、黙っていることは容認することだと伝えています。もちろん声に出して立ち上がることは、とてつもなく勇気が必要です。

番組の最後、発話障害を持つ女性のメッセージが印象的です。

「こういった出来事は日常茶飯事です。だから立ち上がって声を上げて欲しいと思います。私たちは味方になってくれる人がいるだけで、救われた気分になるんです」

傍観しているだけでは、同罪なのかもしれませんね。
これは発話障害に限った話ではありません。職場でのハラスメントや学校での仲間外れ――

私たちは人生で一度くらいは、こうした「試される場面」に遭遇するのではないでしょうか。


結末 ― 真の友情がもたらす勇気

物語に戻しましょう。

ローラは部屋を飛び出したアンナを追いかけます。彼女は木の下で泣いていました。アンナは言います。


「私がクラブに入りたかったのはね。ローラが入ってたからよ」。ただ友達が欲しかっただけの彼女。ローラはクラブをやめることを決意します。

両親にすべてを打ち明け、ネリーの父親にもオルゴールを盗んだことを謝罪します。姉メアリーとも、これで仲直り。

ローラの決断は立派ですね。声を上げる勇気を与えてくれたのは、アンナを大切に思う気持ちでした。これが真の友情ではないでしょうか。